【実践】どうやって現状把握する!?無理なく続く「収支管理シート」の作り方
こんにちは、カニ大家です。
みなさん、自分の物件の「家賃収入」や「経費・支出」の状況を、1円単位でパッと答えられるでしょうか?
「だいたいの月額は把握しているけれど……」という方は意外と多いかもしれません。
特に、親族から引き継いだり、あるいは営業担当者に勧められるまま物件を購入して「流れ」で大家業がスタートしてしまった方は、「他の大家さんはどうやって管理しているの?」「やっぱり高い会計ソフトが必要?」と悩んでしまいますよね。
私自身も最初はそうでした。IT業界の人間として「スマートに管理したい!」と意気込んだものの、どんな項目をどう並べるべきか整理するのに、かなりの時間を費やしました。
今日は、当時の私の試行錯誤をベースに、「まずこれだけ作っておけば、現状把握と確定申告の準備が劇的に楽になる」という管理シートの基本構成を共有します。
有料の会計ソフトは「二歩目」からでいい
ネットで「大家 収支管理」と検索すると、有名なクラウド会計ソフトや大家専用の管理ツールがたくさん出てきますよね。
最近は「初年度無料」といったキャンペーンも多いので、つい最初から導入したくなるかもしれません。
しかし、私の個人的な見解としては、最初から有料の会計ソフトを導入する必要はないと考えています。
もちろん、管理する物件が数十棟に増えたり、青色申告で「複式簿記」の本格的な帳簿が必要になったりした段階では、これらは非常に強力なツールになります。
ですが、まずは「自分のお金がどう動いているか」という実態を肌感覚で理解することが先決です。
最初から高機能なソフトを使うと、入力項目が多すぎて挫折してしまうリスクもあります。まずは「手作り」で管理に慣れることから始めてみましょう。
最強のツールは「Excel」や「Googleスプレッドシート」
では何を使うべきか。ずばり、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ツールで十分です。
IT企業に勤めている方ならもちろん、そうでなくても仕事や学校で一度は触れたことがあるのではないでしょうか。
特にスプレッドシートであれば、外出先でもスマホからサッと数字を確認できますし、何より「自分が必要な項目だけ」に絞ってカスタマイズできるのが最大のメリットです。
これから説明する項目は非常にシンプルなものばかりですので、難しい関数やマクロの知識は一切不要です。安心してくださいね。
どんな項目を記載すればいい?【入居者管理編】
まずは「誰から、いくらいただいているか」を可視化しましょう。
これがシートの左側にくる「収入の柱」となります。現状の把握だけでなく、将来の空室対策にも役立ちます。
1. 部屋番号
物件内のどの部屋を指すかを示す基本情報です。
空室状況をパッと見て判断できるよう、空室の行は色を変えるなどの工夫をすると、募集活動(リーシング)の優先順位がつけやすくなります。
2. 間取り
「1K」「1LDK」などの情報です。数年経って退去が発生した際、当時の賃料設定が現在の相場とズレていないかを比較検討するための重要なデータになります。
3. 家賃
毎月入ってくる純粋な賃料です。これを基準に、利回りや収益性を計算します。
4. 共益費
家賃とは別に、共用部の維持管理費として受け取る名目です。
税務上は家賃と合算して計上しますが、契約更新時の条件変更などで切り分けて考える必要があるため、項目は分けておきましょう。
5. 入居者名
どなたが住んでいるか。法人契約なのか個人契約なのかもメモしておくと、振込名義が違った際の確認がスムーズになります。
6. 契約期間
「いつ契約が始まり、いつ更新が来るのか」を記載します。更新の3ヶ月前くらいにリマインドが届くように工夫しておけば、更新料の請求漏れや、突然の退去連絡に慌てることもなくなります。

まずはこんなレベルで作成してもらえば完璧。
どんな項目を記載すればいい?【支出編】
次に、お金が出ていく「支出」の項目です。ここを正確に記録することが、サラリーマン大家にとって生命線となる「節税」の根拠になります。今回は、特に重要な2項目を追加して解説します。
1. 管理委託費(管理会社への支払い)
自主管理でない限り、管理会社へ支払う手数料が発生します。
通常は「家賃の数%」という形が多いですが、これを記録しておくことで「自分で動く手間をいくらで買っているか」という経営判断の材料になります。
2. ローン利息(※ここが重要!)
ローンを返済している場合、通帳から引き落とされる「返済額合計」をそのまま支出に書かないよう注意してください。
税務上、経費にできるのは「利息」のみであり、借入金の「元本」は経費になりません。
スプレッドシートでは「元本返済額」と「支払利息」を列で分けて管理することをお勧めします。これができていないと、確定申告の時期にパニックになります。
3. 固定費(電気、水道、ガスなど)
主に「共用部」にかかる費用です。エントランスの電灯や共用廊下の清掃用水道代など。
ここが急激に上がっている場合、どこかで水漏れが起きていたり、不正に電気を使われていたりするリスクに素早く気づくことができます。
4. 保険関連(火災保険・地震保険)
建物にかかっている保険料です。数年分を一括で支払うことが多いため、支出があった月は大きな数字が動きます。
「何年分の保険料か」を備考欄にメモしておくと、確定申告の際の期間按分の計算が楽になります。
5. 固定資産税・都市計画税
毎年必ず発生する、重い税金です。
一度に全額払うか、4回に分けて払うかを選べますが、資金繰り(キャッシュフロー)を圧迫しないよう、支払い月をあらかじめシートにプロットしておきましょう。

まとめ:一歩ずつ、確実に地足を固める
「収支管理」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は 「家計簿の大家さん版」 です。
まずはこの項目を埋めるだけで、あなたの物件の健康状態が驚くほどクリアに見えてきます。
数字を可視化することで、「次はどこを修繕しようか」「この経費は削減できるのではないか」という経営者としての前向きな思考が生まれてくるはずです。
一度に完璧なシートを作る必要はありません。まずはスプレッドシートを開いて、わかる範囲の数字を一歩ずつ入力することから始めてみましょう。
「具体的にどんな計算式を入れたらいいの?」や「管理会社とのやり取りをどう自動化している?」といった疑問があれば、いつでも聞いてくださいね。
一緒にスマートな大家業を目指しましょう!それではまた次回の記事でお会いしましょう!

